＝道心＝
日蓮聖人御遺文『妙心尼御前御返事』
建治元年（１２７５年聖寿５４歳）
このお手紙は、女性檀越である「妙心尼」に宛てられたものである。手紙の中で、日蓮聖人は妙心尼からの供養の礼を述べるとともに、夫である入道の病気を心配され、病について説明されている。
人の死は病気によるとは限らない。病気であるから死ぬとは決まっていない。あなたのご主人の今度の病気は、仏様の計らいであるかも知れません。経文に病気をもつ人は仏になると説かれている。病気によって道心（仏道を求める心）が起こるからである。病が求道の良き縁となるからである。
病床に伏せっている間は「日々夜々に道心ひまなし」で闘病生活につとめなさい。病によって信仰に入り安心の境に遊ぶことができましょう。
災いを転じて幸いとなし得る。病苦に呻吟する信徒教導の一説である。