あなたのペースで

 小学校2年になるこうすけ君は毎日元気に学校に通っています。お休みの日にはお父さんに山やスキーにも連れて行ってもらいます。うまくスキーも滑れるようになりました。ただ、かけっこが苦手、頑張って走っているのですが。でも、両親はそんなことを責めることはありません。この子はこの子で頑張っていると。
 先日、算数テストのプリントが帰ってきて、お母さんは笑いころげました。「クッキーのバニラ味が9枚、ココア味が7枚、○印でグラフに書きましょう」。そこはちゃんとできました。「このグラフを見てわかったことは?」の答えです。「バニラあじがいちばんおおいです。ぼくはココアあじがすきなのに」。こうすけ君はもうクッキーが食べたくなったのでしょうね。愉快です。お母さんがこうすけ君をしかることはありませんでした。
 こんな話を聞いたことがあります。理科のテストで「雪がとけると何になりますか?」の問題に、ある子が答えます。「雪がとけると、春になります」と。理科のテストの答えではまちがいなのでしょうが、春になることがまちがいではありません。こんな答えができる子供、嬉しいです。
 仏教詩人の相田みつをさんは

 やわらかい あたま
 やわらかい こころ
 わか竹のような

と、いわれています。
 子供のやわらかい心、素直な心を大事に育てて欲しいと。
 こうすけ君、登校の準備がなかなかできませんが、今日も元気に通学しています。頑張って。

心の散歩道VOL.37(2022年発行)より

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