第35回岡山管区檀信徒研修道場

10月10日(金)、井原市・妙典寺(阿蘇品太淨住職)において、県内檀信徒38名の参加のもと、檀信徒研修道場が執り行われました。

阿蘇品ご住職は、開山上人である鍋かむり日親上人と妙典寺の縁起についてお話しくださいました。日親上人はお題目布教のため井原に立ち寄られた際、辻説法によって信者を集め、「法華題目堂」を建立されたことが寺の起源であると述べられました。

その後、建立された妙典寺も老朽化が進み、当時住職であられた第十七世・瑞龍院日運上人は本堂再建を発願されました。日運上人は早朝四時からの祈願を二十年間続けられ、そのお姿が太淨住職の心に深く刻まれていると語られました。

そして阿蘇品ご住職は、「住職と檀信徒が力を合わせれば、どのような困難な時であっても乗り越えることができる」と、力強く参加者に説かれました。

続いて、読経練習の講師は一乗寺・江口泰顕上人が務められ、体や顔の体操を交えながら、参加者一同が大きな声でお唱えすることができました。
また『常不軽菩薩品第二十』の「六根清浄 神通力故 増益寿命」を引用し、「お経を読むことで心身ともに健康になっていただきたい」と、日々の読経を勧められました。

妙勝寺・藤田玄真上人の法話では、『立正安国論』のお言葉を引用され、心のゆるみを改め、穏やかな心を保つことこそが、苦しい世をそのまま浄土に変える方法であると、お題目修行の大切さを説かれました。
日蓮聖人のお言葉は鎌倉時代だけでなく、未来の私たちにも向けられたメッセージであり、「互いに励まし合うことで立正安国は実現する。どうか日々の生活に信仰を取り入れていただきたい」と述べられました。

引き続き藤田上人による檀信徒参加型のクイズでは、易しい問題から僧侶もうなるような難問まで出題され、会場は興味津々の様子で日蓮宗にまつわるクイズに挑戦していました。

その後、妙圀寺・平野泰真上人が唱題行を担当されました。「方便品第二」を引用し、「お題目を唱える声が自分の声なのか、それともお釈迦様の声なのか分からなくなる――その境地に至ることが唱題行の意義である」とお話しされ、参加者とともに静かに精神を統一した後、太鼓の響きとともにお題目を唱えました。

閉講式では、岡山県宗務所長・平野信行上人より、「本日感じたこと、学んだことをそれぞれの寺院に持ち帰り、日々の信仰の糧としていただきたい」とのご挨拶があり、研修道場は滞りなく終了いたしました。

最後になりましたが、何か月も前よりご準備くださいました妙典寺の阿蘇品太淨上人をはじめ、寺族ならびにお手伝いの皆様に、心より御礼申し上げます。

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