日蓮聖人第750遠忌記念講演

10月28日(水)、日蓮宗岡山県修法師会主催による「日蓮聖人第750遠忌記念講演」が岡山市のさん太ホールで開催され、県内外から多くの檀信徒や僧侶が参加した。

 冒頭では「日蓮聖人第七五〇遠忌・日本各地天災物故霊位供養・復興祈願法要」が営まれた。壁村憲尚同会会長が導師、佐和田謙正副会長が修法導師を務め、同会会員や県内女性教師、岡山立正青年会が出仕した。 法要では、熊本地震をはじめ全国各地で発生した水害の犠牲者を追悼。被災地の早期復興と被災者の心のケア、さらには参加者の除災得幸が祈念された。(イベント終了後、交通安全のお守りが配られた。)
 また、令和13年(2031年)10月に控える「日蓮聖人第750遠忌」に向け、僧俗一体となって取り組んでいくことが強く誓われた。

法要後の休憩時間には、「法華経を広めたい」との思いから県内の僧侶がYouTubeで公開している動画の紹介も行われた。

休憩明けには、評論家で情報史学研究家の江崎道朗氏を招き、記念講演が開催された。第1部「お寺さいこう ~家庭と地域で取り戻す、お寺の教育力~」、第2部「現代でいきる『法華経』の教え」の2部構成で行われた。

江崎氏は第1部で、小中高生の自殺が過去最多となるなど、若年層の生きづらさが深刻化している現状を指摘。地域コミュニティや家庭のつながりが希薄化する中、不足する「子どもの居場所」としてのお寺の可能性に言及した。かつて政治の側に身を置いた視点も交え、寺や神社が「場所の提供者」や「活動の担い手」として社会から注目されていると語った。

第2部では、家庭の教育力を取り戻し、子どもと向き合うヒントとして「法華経」の教えを紹介した。「親守詩(おやもりうた)」など絆を深める取り組みのほか、法華経の七喩(しちゆ)に登場する「長者窮子(ちょうじゃぐうじ)」や「衣裏繋珠(えりけいじゅ)」を引き合いに出し解説。「すべての人に素晴らしい価値(仏性)がある」と信じ、自他の成長を目指す「菩薩」のような姿勢で、家庭や地域の大人たちが子どもたちと関わることの重要性を説いた。

今後、各管区や布教区でも「日蓮聖人第750遠忌」に向けた行事の開催が見込まれる。今回の記念講演は全国に先駆けての開催とみられ、5年後の本遠忌に向けた大きな弾みとなった。参加した檀信徒らは見聞を広め、より良い信仰生活の糧とすることが期待される。

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